『TSUKADA Lab.的CP観』  リオン ver.

注:ウチのサイト限定のCP観ですぞ。



■ヒューゴ×リオン
 
支 配と抑圧、けなげさと偏執愛のミスマッチ。〜

 リオンの人格形成の基幹となったCP。リオン受のスタンダード。
 厳格な教育の下、子供が親の期待に応えようとする、真面目で純粋なうちに支配を敷いた一方的な関係だ

 親という、ある意味絶対的立場にあることを利用し、愛情と恐怖を巧みに操り、身体も精神も冒しまくり、俺色に染めることにある程度成功。 座右の銘は『鉄は熱いうちに打て』。
 セックスは一方的でキチクだが、それは単なる支配のためでもなければ、まして性欲処理の玩具や道具として扱っているわけでもない。
 ヒューゴはリオンに強烈に執着しているのだ。
 だからこそ、金と時間と手間をふんだんにかけて剣を教え、高い教育を施し、帝王学を学ばせ、サバイバル術を仕込み、礼儀作法を身につけさせ、受テクを仕 込み、そこに美貌とすんばらしいボディと頭脳と根性と臨機応変な要領と剣技と品格と色気を全部パーフェクトに備えたスーパー美少年が出来上がったの だッ!。すごいぞヒューゴ様!、ありがとうヒューゴ様!、あなたは腐女子の神様です!。 
 もちろん、素材も相当良かったのではあるが、とにもかくにもヒューゴは、リオンに対し、自ら創り上げた芸術品として惚れ込み、その出来栄えの見事さに夜 な夜な陶酔してい る。こーなるとほとんど自己愛と言える。そ こには当然互いの理解はなく、完全平行線。
 子供にとっては非常に迷惑な関係だ。殺し文句は「マリアン」と「エミリオ」。


【男娼のリオン】
 リオンが15歳になったとき、ヒューゴは情報入手のため、事業のコネクションを広げるため、取引相手の接待のため、あるいは特定の人物を陥れるためにリ オンの身体を使うようになった。
 ヒューゴは、ただ単にリオンの身体を、事業取引や金品の対価にするためだけに仕込んだのではなく、自らの作品として、芸術品として、身体ひとつで人心を 自在に操れる能力をリオンに授けた、といったところか。
 困ったことに悪気は全く無い。それどころか、ヒューゴは自分の作品の価値が一層上がったと思っている。
 相手はもっぱら世界の要人と言われる男ばかりで、それこそ何人いたやら当のリオンも正確には把握していないらしい。屋敷の応接室で初めて会っただけの男 とも命令されれば寝る。
 当時ファンダリア第一王子だったウッドロウも、ファンダリアの国際的な失墜を狙ったヒューゴの陰謀のターゲットだった。
 セックスや見せ掛けの愛を武器として使う以上、未だ恋も知らないような若いリオンが本気で人を愛するようになることをヒューゴは恐れ、というかせっかく の自慢の作品が凡作になるのを嫌い、リオンが好意を持った相手として抹殺されたのが フィンレイ様。
 父親との倒錯した関係に端を発した精神的な支配は、リオンに完全な諦めを植え付けるに成功し、客達の相手をすることを不本意であると感じながらも、任務 を完遂させることにはどこかしらの自負心のようなものを感じているらしい。
 
ってゆーか、リオンにとって身体そのものは、もうどうでもよくなっている。
 あとはリオンの完璧主義と親に評価されたい、愛されたい、こっちを向いて欲しい、親の作った子供に対する期待、すなわち通常の親が抱くであろう青写真に できるだけ沿いたい、という子供の本能のようなものが意に添わない性行為にも向かわせているようだ。
 リオンには子供らしい時代というものが存在しないため、未だに親に絶対を求める状態をひきずっており、つらい任務に打ちのめされ、「あんな奴、父親と 思っていない。」とか言いつつも、なんだかんだ でリオンもヒューゴに強く執着しているのだ。
 自覚が薄く、本人は否定するだろうが、リオンの対ヒューゴの行動原理は歪んではいるものの、まぎれもなく愛なのだ。

◆◆

  
■ウッドロウ×リオン   〜異質な孤独の 出会い。様式美も甘さも舌鋒もオールマイティ。

 育った環境がやや近く、お互い教育課程に礼儀作法まで入っ ている上流社会なCP。
 ウッドロウは自分の婚姻は国が決めることなので真剣な恋というものを諦めており、戯れのような恋愛遍歴を重ねてきた。金で買ったこともあるらしい (笑)。一見 軽薄な放蕩ボンボンに見えがちだが、えてしてこういう人種ほど、身体の欲求を満たすことよりも、本当は魂を寄せ合える相手に飢えているサミシガリヤさん だ。
 ちなみに男としたのも、リオンが初めてじゃあない。正真正銘の両刀様!。
 その容姿が端麗なこともあるが、王族という高い身分、教養と武芸と品格と、温厚かつ攻撃的な性格をもってして、口説きの成功率は極めて高い。
 元々かなりもてるタイプであり、なにより経験豊富なので、一度落とすと決めたら絶対後へは退かないある意味困ったちゃんな根性も持っている。
 けれど両手一杯の薔薇の花束を贈ったり、歯の浮くような賛美の言葉を平気で連発したりと、すごいロマンチストだ。
 片やリオンは弱みをさらけ出すことを徹底的に嫌い、愛に飢えながらも、父親との確執のもと、己を殺し、表情を殺し、愛もセックスも道具としてしか認識し ていなかった。
 この二人が出会ってからというもの、ウッドロウは、その美貌と財力とテクニックを駆使して、こんなん絶対ありえねえ〜、というくらいの激烈情熱アプロー チを繰り返すようになる。
 リオンの方は、「愛している。」だの「好きだ。」だの言われても、残念ながら、心の底から受け入れることはないようだが、それでもひたすら大切に大切に 接してくるウッドロウにまんざら悪い気もしていない。つうか、ウッドロウは近年において大変貴重な、いわゆる押しまくるタイプであるので、 真剣 に口説かれる側としては気分悪いわけないのよな。
 基本的にウマが合うので会えば浮かれ、離れりゃ物足りない、身体だけでは到底満たされない、プラトニックも有り得ない。
 オーバーなセックスアピールも過剰に気取った賛美の言葉も日常会話だ特権階級。
 立場上、どうしても遠距離恋愛(笑)になるのだが、それもありあまる財力と情熱でカバー。
 ある意味ただのバカップルかもしれん。

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■グレバム×リオン   〜報復とオヤジ転がし。魔少年と堕ちた聖職者

 絵的に絶対、美しくなりようがないので読んで喜ぶ人がいるのかどうか甚だ疑問なCP。ってゆうか、こんなん、ついていけんよ、って言われた(笑)。
 グレバムはストレイライズ神殿の大司祭の地位にあり、同時にヒューゴの野望の一員であり、男娼リオンの得意客だった。
 こいつ自体は、元々はわりとマトモな宗教家だったようだが、ヒューゴの野望の一味に加わったあたりから、その人生が狂い出したようだ。
 宗教家というものは、その一生をかけて全ての人間を愛せるようになるべく、徳を積むものであるが、神殿というものは、その実態は、巨大な経営体であり、 営利的な法人としての側面も持つので、民から寄せられた浄財や免税等の優遇措置によって巨大な経済力を蓄えており、同時に民の信仰に裏打ちされた各種の特 権を持っているものである。
 それが俗世において、どれほどのものなのか、本当はどう使うのが有効であるのかを、ヒューゴはグレバムに教え込み、この世を掌握できる選ばれし者として の立場を自覚させた。
 しかしこれは、逆に考えれば、俗世における、企業総帥ヒューゴとグレバムとの力関係をはっきり自覚させたといったところか。
 ヒューゴは、得意の飴と鞭作戦を用い、日頃一方的に利用する代わりに、こいつが日頃不足し、最も欲しているもの、つまり俗なる愛、甘美なセックスの相手 として、ご自慢のスーパー美少年を送り込むようになる。
 リオンは、ドラマCD『プルースト』のあの事件により、ヒューゴの野望の一員として、当初、実子である自分よりも、グレバムの方がヒューゴに近い位置に いたのだということを知るのであるが、それに関する腹いせや、何より男娼として使われること、それ自体への報復として、グレバムを破滅へ陥れることを画策 する。
 その結果、ヒューゴにそそのかされ散々利用され、リオンにたぶらかされ騙され、日頃の宗教家としての(俗世においては役にたたないであろう徳を高める) 修行や、禁欲生活が全部裏目に出て、狡猾親子にいいように転がされることになってしまったのだ。
 そう。TODにおける本当の被害者は実はこいつなのだ…!!。
 とにもかくにも、盲目的にのめりこんだ魔性の美少年のベッドの中でのおねだり〜んは当然ヒューゴの命令そのものであり、グレバムも頭では分ってはいるの だ が、据え膳の誘惑があまりにもすごいので、なにかれと理由をつけてリオンを使者に所望してしまい、その都度、大枚ヒューゴに支払い、最近は神殿に寄進され た浄財にも手を付けている有様だ。
 それにしても、中年美形外生物相手にフェラ○オ+騎▲位はないでしょーよと、実際、大顰蹙だ。キモチ悪くなった方、ごめんなさい!。

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■フィンレイ×リオン   〜最初で最後の信頼、尊敬。闇に喰われた淡い思慕

 リオンはヒューゴの策略によって15歳の若さでセインガルド近衛軍将官待遇の客員剣士になり、同時に王宮や軍の情報収集のために送り込まれたスパイでも あった(オフィシャル)。
 しかし王宮勤めになじんでくるや、若く優秀で、おまけに綺麗なことというのは、社会において実際すごい力を発揮するものであり、七将軍たちに気に入ら れ、国王や王妃に気に入られ、貴族連中に気に入られ、宮廷の華、ダリルシェイドのアイドル状態に(笑)。
 そして、これまで屋敷の中の、欺瞞に満ち満ちた人間関係と、ヒューゴとの支配関係しか知らなかったリオンの前に、世間における責任ある立場とか、信頼関 係とか、確固たる居場所とか。いっぱしのエリート社会人ばりの輝ける未知なる世界が開けてしまったのだ。
 当然ながら、そんな環境は、始終監視されているような牢獄屋敷なぞよりよほど居心地良い。
 ヒューゴに「あまり家に帰るな。」とか言われていることもあって、そのうちロクに家にも戻らず、王宮に住み込むプチ家出状態に。
 兵舎の独身寮にでもいたのであろうが、何気に体育会系の男くさいノリも気に入った様子。
「もう動けないか、ならば一生這いつくばってろ!。」、「うおぁぁぁぁぁぁ!。」
 でもって多感なお年頃なものだから、上司であり剣の師であるフィンレイの清廉潔癖騎士道精神や、まっとうな心根に激しく影響され、剣の腕や将軍としての 能力に心酔するようになり、この歳の少年にありがちな微弱な恋心まで抱き出し、いわゆる銀河鉄道の夜のジョバンニ状態になったのだッ。
 プルーストで聴くに、もはや神格化されつつあるイイ男のようだ。
 夢の大きさや愛や優しさなんかで男の度量を語るのも結構だが、それってせいぜい20歳まで(笑)。30が見えてきたら、男はやはり仕事に対するモチベー ション、それに見合った収入と地位!!。この方が生きていたら、リオンの身も心も正しい方向でわし掴んで、別の物語が花開き、はっきり言って他の男の出番 なんぞ無かったかもしれん。…腐女子の出番も無かったかもしれんが…。
 リオンは、顔はプリチー、素で従順、妻帯男フィンレイ様のよーな好みが古風そうな御仁の要望にもばっちり沿えそうだ。
 そんなわけで、ヒューゴにとっては、フィンレイが国王の娘婿だとか、国に対する発言力がどうとか、そういう問題以前に、我が最高傑作である『芸術品・リ オン』に対する悪影響がウザくなってしまったのだ。
ヒューゴ自慢の芸術品は、極めて微妙なバランスで、ぎりぎり成り立っている繊細なガラス細工のようなもの。所詮生身なのだから、メンテをサボって放ってお いたら、やがてちょっとキレイで出来がいいだけの立派な野良男子になってしまうのだよ(ムダ毛も生えてくるし)。
 ヒューゴはリオンのカラダを使って、闇のコネクションを広げていたようだが、フィンレイとは、リオンがあまりにも個人的結びつきを強め出したので、むし ろそっちの手を使うことは控えていた模様。
 フィンレイは、どっちかっつーと不器用で無骨な人間で、賄賂も色仕掛けも一切効かない筋金入りのカタブツだったからこそ、ヒューゴは陣営に引き込むこと も、適当にあしらうこともできず、消す方向に走ったのだ。
 惜しむらくは、フィンレイはリオンへの『性的』な興味関心が足りない。申し分なく好人物であるのだが、オスの匂いが足りない。憧れの上司という、これ以 上無いくらいのおいしいポジションにあるくせに、ヨコシマな欲情のスキルが足りないんじゃ!。
 あのな、職権てのは乱用するためにあるんだよ。執務室のデスクに押し倒すくらいのことはやれよ。このさい私が許可するから。リオンは淫乱だがオクテなの で、攻めの方からガンガンやってくれないと、先に進まないんじゃ!。あんなうまそうな美少年が尊敬に瞳を潤ませて目の前に無防備に転がってるっつうのにア ンタは牛か!、亀か!、岩か!。
 そんなこんなでプラトニックの清い関係であったからこそ、リオンのヒューゴとの倒錯した親子関係にも気付かず、リオンの背後の巨大な闇にもう一歩踏み込 むことが出来なかったのだ。
 本来、フィンレイは対ヒューゴの天敵としての素養はあるんだから、リオンを本気で略奪すべく、奮戦することにでもなれば、ひょっとしたら、人類の悲劇そ のものを回避できたかもしれない。
 まさにTODの悲劇はこの人物から始まっていたと言っても過言ではないのだ〜。


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■スタン×リオン   〜困惑と憧憬、友情パワーは永久凍土を融かすのか!。

 TODゲーム本編における主人公とヒロイン(断言)。
 生まれも育ちも境遇も、背負った過去も、現在の立場も全く共通点の無い二人。
 城のような屋敷の中の厳格生活と、16歳の若さで王宮での将官としての世間が日常だったリオン。
 関わる人々は、ヒューゴと屋敷の使用人達。世界の要人たち、国王や貴族連中、近衛軍の将軍や兵士たち。そんな常に大人としての緊張感を要求されて生きて きたリオンにとって、突然現れた田舎でのびのび育ったドロイモのよーなスタンは、もはや人種が異なるどころの話ではなく、宇宙人も同然だっただろう (笑)。
 当初、リオンは異人種の登場に戸惑い、自己防衛本能に基づき、散々馬鹿にしたり、コケにしたりしていたようだが、元々リオンは馬鹿でもないし、優れた人 間観察力も持っている。
 共に戦い、行動するうちに、当初思ったほど単純でも直情でもなかったスタンに思わず「こいつ、案外やるんだな。」くらいには評価も変えていくことができ るようにはなったようだ。
 一方、スタンの方はと言えば、憧れの都会(?)で突然出会った少女のよーなみてくれの美少年が天才ソーディアン・マスターとか言われててダリルシェイド では名の知れた剣士様だったりしたもんだから、単純かつ素直に「すげー!!。」。電流ビリビリされたり、罪人引き回し扱いされたりと散々ではあったが、 そこに気負いや嫉妬もないことから、根っからの楽天家、そして何気に「よおし、俺もやるぞー!。」みたいに思ったりもできる、ちゃんとヒーローっぽい自信 家。
 この二人の出会いが、最終的に悲劇にしか結びつかなかったことは歴史の必然であり、きちんとCP化するためには、あまりにも多くの『もしも、…なら ば。』が必要となってくる。
 スタンに出会ったとき、リオンは、すでに相当程度進行していたヒューゴの計画に加担していくことも、ダイクロフト復活のための道具として捨て駒になるで あろうことも、受け入れた状態にあったからだ。
 目前に迫ったタイムリミットを考えれば、スタンとの出会いは、正にラスト・チャンスだった。
 リオンとて、16歳はまだまだ子供であり、他人からの影響で変わることのできる可能性を持っている年頃である。
 出会いのインパクトがたとえ好印象ではなくても、それが強ければ強いほど、現状を覆すための反作用のような大きな影響も期待できるというもの。すなわ ち、ドロイモだろーと宇宙人だろーと、『見たこともないような異人種であること。』、これがスタンがリオンの精神面の壁を突き崩し、ひょっとしたらエミリ オ状態にするまでひん剥ける可能性をもっている唯一の強みと言える。
 しかしながら、これを受け入れるには、リオンの極めて繊細で、ある意味命がけのアイデンティティの崩壊と相当な荒療治が必要になってくる。
 何にせよ、決定的なネックは出会いが短い旅の間だけだったこと。スタンは、所詮スタンであり、はっきり言って色気も財力も手練手管もお粗末だ。しかも、 やや自分のことで頭がいっぱいなのか、リオンの複雑で壮絶な内面に踏み込めるだけの余裕も度量もあるのか疑問、人生経験も不足している。
 『恋愛』の要素で、搦め手でじっくりとリオンを知り、理解し、作り変え、落とそうなどという、姑息で高度なことを考えるのはよそう。
 さすがに童貞じゃあないとは思うが、ヤオイにしても、セックスに関するスキルが違いすぎてもどかしい。
 こんな奴にアプローチの仕方に多彩さを期待はできない。心に重症を負った人間の心を開かせることの難しさは半端なものではない。そんな人間を理解し、し かも本気で相手にするような鋭さや、精神面の覚悟をスタンに求めるという方が無理というもの。
 悪口雑言と冷たい態度で壁を作りながら正直、怯えている人間に、普通に『分け隔てなく』優しく接する方策では、相当時間がかかるだろう。あの旅の間だけ の短時間じゃ無理がある。
 しかしスタリオは、TODの主人公とヒロインでなければならんのだ!!。
 ヒロインを救わずして何が主人公であろう。つまりだな!。TODのヒーロー・スタンのするべきことはただ一つ。
『リオン戦の前にミクトランごとヒューゴをぶっ殺す。』ことだったんだッ!。
 リオンを覆う壁はあまりにも強い。心を開かせ、リオン自らその壁から出てこさせようなんて、あのスタンに期待すること自体、空しかろう?。
 単純な人間は、行動も単純であるべきだ。人間、分を超えたことをすれば、絶対失敗するのが世の常なんだからな。
 あの海底洞窟で、スタンが一言。
「もう大丈夫だリオン、ヒューゴ(その中味)は俺が倒した。マリアンさんも無事なんだ〜!。」
 そう言えば、あっちゅーまに全てが解決したんだよ。
『…リオンは洞窟の岩に凭れるように背をついて、崩れそうになる身体をやっと支えて立ち竦んでいた。スタンは「リオン!。」と叫んで岩場に駆け上がり、そ のまま強く抱きしめた。リオンはしばらく抱きしめられるままにスタンの腕の中でじっとしていたが、その手には、何か金属製のものが握られたままであること にスタンは気付いた。自爆装置だった。既に安全装置も外され、もはや起爆させるのみの状態になっているそれをスタンがリオンの手から取ろうとすると、リオ ンの肩が一瞬、怯えたように、びくりと震えるのが抱きしめた腕を通して伝わってきた。
(中略)
 そして二人は、その後、末長く幸せに暮らしましたとさ。めでたし、…めでたし。』
 …のはずだったんだよ!!。

【おまけ】
 実を言うと、ウッドロウ(23)で連載した『王子と剣士』の原案当初のお相手はこいつだった。
 ハーメンツでの衝撃的な出会い、当初小馬鹿にする関係、神の眼奪還任務中で次第に深まる理解、そして、海底洞窟の任務を受けた夜に告白、とストーリーの 大筋は変化なし。
 初めてのベットシーン(任務中の最初の宿)では、あまりにも妖艶で色っぽく、抱かれることに慣れきったリオンに大ショックを受けたり、リオンへののめり 込み方も、純粋な友情と、お兄ちゃん的立場と、これまでに覚えの無い肉欲の狭間で苦しんだりして、それはそれで非常に淫靡な感じでよかったし、リオンを染 める天真爛漫さを出すには、むしろスタンの方がいい素材ではあった。それに王子の場合と違って、「初めて友達になりたいと思った」という少年らしい(?) 感情を表現できる点もなかなか新鮮でよかった。
 しかし、決定的な問題として、対ヒューゴに関する力関係がバランス悪すぎて、結局総ボツにしたのだ。
 こいつでストーリーを作れば、リオンの内面に入り込ませるチャンスも作れただろうけどね。
 王子もヒューゴ様相手では雑魚だったかもしれんが、スタンなんてゴミ以下だ(ひでえ)。