『アトリエ』 






 
 ダリルシェイドの北方にある山の麓には、オベロン社総帥、ヒューゴ・ジルクリフトの別荘があった。
 別荘と言っても、その周辺に目の保養に値する景色が望めるようなところではなく、遊興のための施設があるわけでもなく、ただ岩山に囲まれたところにある ものであり、リオンもそこに行った記憶はなかった。
 しかしヒューゴが事業の視察のためにしばしば屋敷を留守にするようなときには、必ずと言っていいほど、その別荘を訪れているということを執事から聞いて いた。
 美しい山もなく、魚を釣るような湖も、気晴らしになるような景観すらないような場所に、何故ヒューゴが別荘を買ったのか、そしてそこに何故頻繁にヒュー ゴが訪れるのか、他に別荘ならいくつも持っているはずなのに、そこに執着する理由は何なのか、幼い頃のリオンは理解できなかった。
 しかし今ならば見当はつく。
 ヒューゴの手駒として数々の任務を遂行してきた今ならば。
 そこはヒューゴの、例の極秘の『計画』のためや、その他諸々の絶対外部には漏れてはいけない相談ごとをするために招いた特別の客を泊めるための施設であ るのだと。





 ##

 リオンは、その『別荘』の扉の前に一人、立っていた。
 入り口で呼び鈴を鳴らすと、奥の方から、人の気配が近づいてきた。
 扉が開かれると、そこには、どうみても『老人』としか言い表せないような、みすぼらしい容貌の男が立っていた。
 生地の良い上品なつくりの上着と、真新しいズボンをはいてはいたが、それが一層、この男を年老いたものに見せている。
 服装自体は金のかかったものだということが分かったが、髪の方は頓着しないたちなのか、伸ばし放題の白髪を無造作に後ろで束ねている。
 頬は削げ、顔色はまるで蝋人形のように青白く、生気が感じられず、気味悪くすらある。
 他に人が居る気配がしない。つまりはこれが今夜の『客』というわけか…。
 リオンは冷めてそう思った。
 こんなふうに、自分をヒューゴから取引の見返りとして要求する男は、どれもこれも、この世界において『要人』と呼ばれる男ばかりであったが、ろくな人間 はいなかったことをリオンは経験上、知っていた。
「風が強いですね。…どうぞお入りください。」
 そう、しわがれた声でその老人は言い、リオンは無言で頷いた。
 入り口から入ると、まず気になったのが、何かの匂いだった。色々なものが混ざった、何のかは特定できないような感じの匂いだった。
 古い、…ものすごく古い木の匂いや、香油の匂い、粘土の匂い、強い化学薬品のような匂いが幾重にも絡みつくようにたちこめており、それと、どこかで嗅い だことのあるような異臭がわずかばかりであるが、混ざっているような気がする。
 リオンの様子に気付いたのか、老人はリオンの方を振り返り見て、薄い笑顔を見せた。
「…ああ。ここは私の研究施設でしてね。…私は『アトリエ』って呼んでいるんですが、…よろしければあとで色々ご案内しますよ。」
 やはりしわがれた声でそう言った。
 研究施設…?。
 ここはヒューゴの別荘だが、つまりはこの老人に長期間ここを使わせているということか。
 それにしても『アトリエ』とは。
 ヒューゴがここで如何わしい研究をこの老人にさせているにしても、何か雰囲気が妙だった。
 他に研究員がいるような様子もないし、建物全体の構造も、研究に適したものとも思えない。
 それにここはダリルシェイド市街から相当離れたところに位置し、交通においてもかなりの悪所である。
 リオンは何通りかの仮定をめぐらせながら、老人の後について長い廊下を過ぎ、奥のダイニングに通された。
 そこは、高い天井部分が吹き抜けになっている構造の、広くて薄暗い空間だった。
 横長のテーブルに上品なレース模様を施した白いテーブルクロスがかけられている。
 そしてその上には、精緻な彫刻が施された金色の燭台に赤い蝋燭が掲げられており、その炎のゆらめきが、食器類を美しく輝かせ、どこか非現実的な雰囲気を 作り出していた。
「通いのメイドに用意させました。…大したものはありませんが。」
 老人はそう言って、二人は食事の席についた。
 食事は質も味も普通、というよりはまずまずの出来と言ってよかった。
 ヒューゴに取引に見合うだけの条件を提示したか、あるいは法外な額の金銭を渡すかして、自分を買った『客』なのだから、それなりの地位にあり、相当な財 力もある男のはずであろうが、こんな男、オベロン社の取引相手や、かなりの数のヒューゴと個人的な付き合いのある者たちを記録した資料のどこにも見た記憶 は無い。
 まして政治家でもなければ他国の王族でもない。
 そうリオンは思い、注意深く男を観察した。
 しかし、リオンが男をよく観察しようとして視線を向けると、その男と必ず目が合うのでやりにくかった。
 その男は、食事の間中、じっとリオンを見つめていたのだ。
「お美しいですね。」
 男は、みすぼらしい容貌に妙に品のある笑みを浮かべてリオンを見つめながら、そうつぶやいた。
 その、落ち窪んだような目の奥の瞳には純粋な感嘆、賞賛の光が宿っていた。
 このように言われることには慣れてはいたが、そこにはいつもの客から感じられる『性的な匂い』はまるで感じられなかった。
 自分を買う男達は、二人きりになると、誰も彼もが発情した雄犬のような視線を向けてくるのに、その男は違っていた。
 まるで、気に入りの美術品に見入ったときのように、ゆっくりと右から左、斜め上から下まで、視線をくまなく走らせてリオンを眺め回し、ひそやかな感動の ため息がそれに続いた。
 馬鹿馬鹿しい。リオンは思った。
 もちろんそれを表情に出したりはしないが、どんな眼で見ようとも、この男が要求してくることは他の男と何も変わらない。
 こんな食事の席をさっさと終わりにして、この男をさっさと満足させて帰りたくなってくる。
「…あなたは、おいくつですか。」
 男は言った。
 リオンは笑い出しそうになった。
 この男から見れば、孫のような年齢であろう自分を買っておいて、歳を聞くとは。
「16だ。」
 リオンは無表情のまま言った。
「ほう、最高ですね。」
 感嘆の声とともに老人はそう言った。
「どういう意味だ。」
「私がもっとも必要としていた年頃だ。という意味ですよ。」
 リオンは、付き合いきれない、そう思った。男色の上にこれか。白けた気分になってくる。
「ここには一人で住んでいるのか。」
 そうリオンは皮肉交じりに言った。
 奥方や子供はいないのか、そういう意味が通じたはずである。
「ええ。息子が一人いました。…今は、大きな都市で仕事をもっているようです。…私とは理解し合えているとばかり思ってましたが、…いやはや息子も随分変 わってしまいましたよ。」
「そう、なのか。」
 この男に家族がいた、という事実にリオンは少しだけ警戒心を解いた。
 リオンのわずかな表情の変化に気を良くしたように老人はワイングラスを手に取り、改まったようにリオンを見た。
「私は、考古学を生業としていましてね、最近はこの建物の裏手にある岩山に遺跡を発掘しました。それで特に今は美しいものを必要としている最中です。」
「…?。」
 意味が解らず、聞き返そうとしたが、老人は言葉を続けた。
「けれど、息子はそうじゃなかった。特に他所で仕事を持つようになってからというもの、人が変わったようになりましてね。…地味な研究など見向きもしなく なりましたよ。」
「ご子息も考古学を?。」
「ええ、ええ。私と同じように、古代文明の研究をしていました。失われた遺跡をめぐって、太古の王の墓をたどる。あの頃は私も息子も美しいものに夢中でし た。私は今でも、…そういう、歴史の中で密やかに息づいているような、…それでいて永遠に不滅とも言うべき美しさに囲まれて暮らせれば、あとは何もいらな い、そう思っています…。」
 そう夢のように言って、老人は、コトリ、とワイングラスを置いた。
「食事はお済みですね…、では、私のアトリエにご案内しましょう…。」



 ##

 老人が『アトリエ』と呼ぶ部屋に行くには、食事をしたダイニングから玄関に通じる長い廊下を渡って行かなければならなかった。
 暗い廊下を無言のまま歩いていくと、別荘の背後の山から強風が吹き降りるのか、ざわざわと木々の枝が鳴る音がした。
 しかしそんな暗さや音の気味の悪さよりも何よりも、廊下中を漂う、何かの「匂い」の方がリオンには気がかりであった。
 しかも老人の言う、『アトリエ』の方向に近づくほど、その匂いは強くなっていくようであった。
 老人は頼りない明かりをかざして、廊下の途中にある部屋の扉を開けた。
 その途端、むっとするような臭気が鼻をついた。
「足元にお気をつけて。」
 そう言って、その部屋の奥の隠し扉を開けた。
 そして、その扉のさらに奥に続く通路を少しばかり下った、半地下のようなところに、老人の言う、『アトリエ』はあった。
 老人が部屋の壁にある明かりのスイッチを押すと、室内は淡い光に満たされた。
「暗くて失礼。ここにあるものは皆、人工の光にデリケートでしてね。」
 最初は目を凝らしてやっと見える程度だったが、次第に暗さにも目が慣れてくる。
 日頃の習慣から、リオンは室内を把握しようとすばやく視線を巡らすと、一見してガラクタのようなものが、ところ狭しと並べられていた。
 発掘に使うのであろう、使用方法のよくわからない道具、粘土を焼いて作られた壷、碑文の掘り込まれた文字盤、欠けた翡翠の宝飾具。
 そこにあるのは、どれもこれも、歴史の資料写真にでも出てくるような、ありきたりの発掘品ばかりだった。
 しかし、この室内に充満する異臭。
 それとかすかに部屋の隅の方から機械のモーター音のようなものが響いてくる。
 リオンは、薄暗い部屋の奥の方に視線を走らせた。
「あれは何だ。」
 部屋の奥に目を凝らすと、棺くらいの大きさの、宝飾を施された横長の箱が台の上に載せられていた。
 その瞬間、老人の目がきらりと光ったような気がした。
「あれこそは、私がこの生涯をかけての発見、と言って良いものです。」
 どこか上気したような声で老人はそう言って、リオンを部屋の奥に手招きした。
 その横長の箱は、やはり棺で、蓋や側面に細やかな装飾が施されていた。
 特に蓋面の飾りつけは豪華で、はめ込まれた宝石や金細工から見て、かなり身分の高い者の死体を入れたものであるということが知れる。
「中身は、少女でしたよ。」
「…。」
「この棺の装飾も見たことがないくらいに、見事ですがね。少女の身に付けていた宝飾具が
これがまたすばらしかったのです。…おそらく皇女なんでしょうね。」
「…。」
「まだ本当に幼い少女でね。身体も小さくて。こんな棺、大きすぎるというのに、…ああ。この時代、身分の高い方は、生まれたときから墓作りが始まるのです よ。この皇女も、こんなに早死にするとは思われなかったのですね。だから棺は大人用なのですね。」
 それから老人は、棺に施された模様の由来や、刻まれた文字についての説明をし始めた。
 なるほど歴史にかなりの知識のある人間であるということは分ったが、特に興味の無い話題だったので、リオンは形式的に無言で頷いた。
 ふと、言葉が途切れると、老人は、愛おしそうに棺の蓋をなでさすり、それから、さも哀しげといった表情でぽつりと言った。
「しかし。この皇女の親の墓、これはどこを掘っても見つかりませんでした。」
 そう言って、深い、疲れたようなため息を一つついた。
「…見ての通り私も歳ですし、身体の自由もききませんし、…正直、長くありません。そろそろ現場での発掘作業は困難になってきたのですよ。」
 老人はそう言いながら、棺から一歩下がり、改まったようにリオンの方に向き直った。
「ですからね。せめて、この皇女の遺体を、さみしくないようにして、それからちゃんと埋葬してあげようと思いましてね。」
「遺体がさみしい…?。」
「ええ。この少女の遺体を分析したところ、外傷はありませんでしたが、…毒殺された痕跡がありました。まだ幼いというのに、この子は政敵によって暗殺され たのか、それとも覇権争いに巻き込まれて男子ではなかったことを理由に追い出されてしまったのか。いずれにしろ哀しい仮定しか思いつきませんよ。この少女 はまるでここに皇女としてもっともらしく埋葬されるために成長したようなものです。ここにたった一人きりです。肉親と永遠に離されてしまっているのです。 子供にとって、これ以上に哀しいことはないでしょう。だからこそ、幼い彼女にはまだまだ守る者が必要です。そういう者と一緒にいさえすれば、この子は未来 永劫、安らぐことができると思うのですよ。」
 そう言って、老人は、リオンの方をじっと見つめた。
 その目は、まるで博物館のガラスケースに陳列された古い発掘品でも見る目に似ていた。
 けれどその目の奥にある、何か昏い光のようなものにリオンは一気に警戒した。
「私のこと、頭がおかしい、とお思いでしょうね。けれど私は至って真剣なんです。あなたくらい、美しく、気品のある少年。…ああ彼女にもあなたのような守 る者がいさえすれば…。」
 だんだんと会話の内容が常軌を逸してきている。
 しかし冗談にしては老人の態度は真剣そのものだった。
「何を言っているんだ!、お前は。」
 やや声を荒げたリオンに対し、老人は、ふっと穏やかに笑い、部屋の隅の方に、歩いて行った。そこには、簡易なつくりの冷蔵庫のようなものが置いてあっ た。
 室内に響いているモーター音の原因はそれだった。
 老人はそれを開けた。
「…!。」
 リオンは目を見開いた。
 人間の死体だった。
 もう、肉の部分が青黒く変色し、相当腐敗が進んでいたが、それはまぎれもなく人間のかたちをしていた。
 リオンは、急激に室内に撒き散らされた猛烈な死臭に突き上げるような吐き気を覚えた。
 口元を抑え、嘔吐感に懸命に堪えた。
 しかし老人は平気な顔でなおも続ける。
「…この少年。あなたと同じ16歳です。この少年も、あなたと違った意味での、途方も無いくらいに美しい少年でした。…けれど残念なことに、この少年を皇 女の隣に並べてみても釣り合わなかったんです。本当に…、何でこんなに、と言っていいほど、釣り合いませんでした。彼はこの少女を守ってくれる者ではな かったと、そういうことなんでしょう。」
「お、お前…ッ!。」
 リオンは臭気に息を詰まらせながら、一歩、後ずさった。
 この老人が狂人であるとか、そういう話よりも、今は一刻も早くこの死臭の充満する部屋から出たかった。
「でもあなたなら。」
 老人は、そう言いながら、リオンを昏い光を宿したような瞳で見つめていた。
「しびれてきませんか?。」
「な、何…。」
「身体がしびれてきませんか、とそう聞いているのです。」
「…!。」
 全てを察した。さきほどの食事だ。
 リオンは急いで部屋の扉の方に向かった。
 半地下のようなところであるから、ここから脱出するためには、短い階段を昇って天井部の窓を開けなければならない。
 階段のところで、不覚にも眩暈がし、足がもつれた。
 老人がこちらへ向かってくる。さほど急いでいない。時間が立てば、こちらが動けなくなるであろうことを知っているからだ。
 階段を数段昇ったところでリオンは下を振り返り見た。
 そして、ありありと欲望の光を瞳に宿したその老人が、いままさに、階段を上ってこようとしているところが見えた。
 相手はたかが老人一人。幸い薬の効きは遅い。たとえこの状態であったとしても、剣を使えばどうということはない相手である。
 しかしこの男はヒューゴが招いた『客』なのだ。
 素性はわからないが、殺すことも、傷つけることもできない。
 リオンは剣を鞘から抜かずに手に握り、追いすがる老人にむかって、横殴りに斬り付けた。
 老人は横っ面を殴られて、呻き声を上げてよろめいた。
 リオンは相手の喉下を狙って、その剣を突き下ろし、その老人の身体を階段から突き落とした。
 老人はあっけなく階段から転げ落ち、床にうずくまった。
 しかし、突然そこで胸をかきむしるようにして苦しみ出した。
「…!。」
 しまった。そう思った。
 この老人は心臓が弱いのか。発作が原因で死なせてしまったら、そしてその足がつくようなことになったら…。
 瞬間、これまでの自分の行動を考えた。
 老人と食事をともにした食卓、使った食器類。
 どれにもおそらく自分の指紋くらい残されているだろう。
 そしてここはヒューゴの別荘だ。この老人がどんな人物であるかは分からないが、間違いなくただの老人ではない。そのような人物の変死について、ヒューゴ に捜査の手が及んだり、あるいは事業の支障を来たすようなこと、それだけは何としても回避しなければならない。
 リオンはうずくまった老人に駆け寄ったが、その顔はすでに蒼白で、目を半開きにしたまま、ぐったりと力を失っていた。
 急いで救命処置に取り掛かる。両の掌を斜めに重ねて胸部に圧迫加えて懸命に心臓マッサージを施した。
 リオンは汗にまみれて、しばらくの間、その作業をつづけたが、老人の心臓は既に完全に停止しており、蘇生させることはできなかった。
 次第にその身体には、死の冷たさが支配していった。

 リオンは老人の死体の横で、がっくりと項垂れた。
 失敗した。自分はヒューゴの任務に失敗したのだ。
 何てことだ。
 そう思いながらも、リオンはとりあえず老人の死体をそのままにして、その『アトリエ』から廊下に出た。
 扉を背にして、リオンは大きくため息をつき、俯きながら首を左右に振った。
 ヒューゴに連絡を取らなければならない。
 …そして、これからの指示を仰がなければならない。
 そう重く思ったときである。
 ふいに、別荘の玄関の方から、扉が開く音がした。つづいて、長い廊下を軋ませて足音が近づいてきた。
 その扉から入ってきた人物は、ヒューゴであった。
「…ヒューゴ様…。」
 リオンの憔悴しきったような表情にヒューゴは事態を把握した。
「死んだか。」
「…申し訳ありません。蘇生が、間に合いませんでした。」
 ひどく責められる。リオンは、そう覚悟を決めていたが、意外なことにもヒューゴは黙ってリオンを見下ろしていた。
「ふ、ふふ……。」
 ふいに、ヒューゴが笑い出した。
「…?。」 
 そして、そのヒューゴの笑いは、声を立てたものに変わった。
「リオン、あの男は私の父、つまりお前の祖父だ。」
「…!。」
「あの男はな、考古学にのめり込んでいてな。一生かけて、くだらない古代文明の墓あらしに夢中になっていたのだ。…最近は古代遺跡の墳墓を見つけたとか 言って、毎日、この別荘の背後の山に出掛けて行っては、あちこち掘リ返してたようだが…。これがなかなか頑固でな。どうしても山から退こうとはしないの だ。」
「……。」
 ヒューゴの言わんとすることが見えてきた。
「あの山からはレンズの鉱脈が見つかっているんだ。おそらく大陸でも最大級のレンズ鉱山が眠っている。」
 つまりは最初から邪魔者として処分するための『客』だったと。
「まあ、最期に孫の顔が見られて幸せだったろうさ。」
 そうヒューゴは言い、笑った。
 











2004 0303  RUI TSUKADA



 リオン男娼編でした。ちょっぴり怪奇っぽくしたんだけど、どうかな…。
 ヒューゴの父は私のオリジナル設定です。
 憑依前のヒューゴは考古学者だから、資質は親譲りということで(笑)。


 男娼編だけどHナシ!。

 でもこの老人はリオンをミイラにでもする気だったんだろうから、きっとすんごいこと考えてたんだ。
 鼻からのーみそ引きずり出したり…。コワイ…。